どのくらいの人が妊娠線ができるの?妊娠線ができやすい人とできにくい人の違いは?

どのくらいの人が妊娠線ができるの?妊娠線ができやすい人とできにくい人の違いは?

 

妊娠すると、女性の身体は様々な変化が現われます。お腹が大きくなってくる5ヶ月あたりから、徐々にお腹にひび割れのような線が出てくることがありますが、それが妊娠線です。

妊婦さんのおよそ6割経産婦になるとおよそ8割の人にその症状が出ているという報告もあります。

妊娠線は、お腹だけでなく、腕や太もも、おしりなどにできる場合もあります。 多くの妊婦さんを悩ます妊娠線ですが、できやすい人、できにくい人の違いもあるようです。

 

 

妊娠線ができやすい人ってどんな人?

では妊娠線ができやすい人とは、どのような人なのでしょうか。

たとえば、以下のような人は妊娠線ができやすい傾向にあるようです。

・急な体重増加、過度な体重増加をした人 ・運動不足の人 ・乾燥肌の人(アトピー性皮膚炎や老化も含む) ・多胎児を妊娠している人 ・経産婦

次の項から特徴ごとに解説しますので、自分に近いタイプがあれば参考にしてみてくださいね。


急な体重増加・運動不足・皮下脂肪がついた人ができやすいわけは?

妊娠線は、お腹が大きくなることとで皮膚が伸びることに対し、その伸びに耐え切れずに断裂してしまった結果、亀裂が生じて現われる線です。 ですから、お腹の膨らみ方が大きいほど、急であればあるほど、妊娠線はできやすくなります。 妊娠中の体重増加は自然なことです。しかしながら、適正範囲を超えた体重増加は、それだけお腹も大きくなるため、妊娠線ができやすくなります。 運動不足になってしまうと、体重増加を招きやすく、また、筋肉が減少してしまうことにより、皮膚の伸びを抑えきれずに、妊娠線ができてしまう原因になります。 妊娠中に皮下脂肪がついてしまった場合も、同様です。

 

乾燥肌・アトピー肌の人ができやすい理由は?

妊婦さんのお腹の皮膚は、その下でふくらんできた子宮や増加した皮下脂肪によって伸ばされようとしますが、その皮膚の状態が乾燥していて、弾力性が失われた状態にあると、うまく伸びることができずに、亀裂が生じ、妊娠線となって現れます。 妊娠中の女性は、大きなホルモンバランスの変化により、肌の状態も変わりやすくなります。 普段は乾燥肌ではなかった人も、乾燥肌になってしまうこともありますし、もともと乾燥肌の人は、更に悪化しやすくなります。 また、アトピー性皮膚炎の方も、注意したいです。アトピー性皮膚炎は、肌のバリア機能が低下し乾燥した状態のところに、アレルゲンや何らかの環境要因によって引き起こされる、皮膚疾患です。アトピー性皮膚炎は、肌が乾燥した状態ですから、妊娠線が現れやすい状態といえます。

 

 

なぜ経産婦はできやすいの?

経産婦さんは、初産婦さんより妊娠線ができやすい傾向にあります。

その大きな理由として、以下の2点があげられます。 お腹が大きくなりやすい 妊娠・出産を経験したことで、一度大きくふくらんだことのある子宮は、二度目以降は大きくなりやすいです。初めての妊娠のときよりも早めに、大きくなりやすいです。お腹が急激に大きくなると、妊娠線のあわられるリスクも大きくなります。 ケアが行き届きにくくなる 初産婦さんは、初めての妊娠に戸惑いながらも、自分に手をかける余裕があり、体重管理や妊娠線のケアをできます。しかしながら、経産婦さんは、上のお子さんの面倒を見ながらの妊娠生活となるため、初産婦さんのように自分をケアできる余裕はなくなります。 上のお子さんのお世話をしながら、つわりや妊娠に伴うマイナートラブルと向き合い、食事管理、体重管理、そして、妊娠線のケアまでと、大忙しです。 妊娠線のケアは、優先順位が低くなってしまい、余裕がないとケアが行き届かず、妊娠線のできやすい状況となってしまいます。

 

できにくい人はどんな人?

それでは、妊娠線ができにくい人は、どんな条件があるのでしょうか。

妊娠線ができやすい人と逆の条件です。 ・体重を増やしすぎない、急に増やさない ・皮下脂肪の増加が少ない ・潤いのある肌 ・専門の妊娠線ケアアイテムを使用

 

こちらも、それぞれの理由について追って説明します。

体重増加が少ない・皮下脂肪が少ないとなぜできにくいの?

妊娠中の体重を増やしすぎず、急に増やさない妊婦さんは、妊娠線ができにくくなります。 妊娠時の適正な体重増加は、妊娠前の体型にもよりますが、肥満度を示すBMI値(

体重kg ÷ (身長m)2)の数値が18~24の標準体型の妊婦さんであれば、妊娠期間に7~10kgの体重増加が適正範囲となります。 また、適正範囲内の増加に加え、1週間に500gまでの増加量が適切といわれていますが、これは、健康な妊娠生活のためだけでなく、妊娠線を作らないようにするためにも大切です。 体重の増加が少ないということは、体型の変化が少ないということですので、妊娠線ができるメカニズムである、皮膚の伸び過ぎによる亀裂の発生が起きにくくなる、ということになります。 また、急激に皮膚が伸ばされてしまうことも、妊娠線の大きな発生リスクですから、短期間で適正範囲を超えた体重増加にも十分注意しましょう。 体重だけでなく、皮下脂肪の増加が少ない人も、同様のことが言えます。 ただし、体重と皮下脂肪の適度な増加は、健康な妊娠の過程では必要なことです。赤ちゃんを育む為の胎盤や羊水などの増加分や、血液や体内の水分量の増加によっても体重は増えますし、ホルモンバランスの変化で皮下脂肪もつきやすくなります。 妊娠線できることを気にするあまり、必要以上に体重増加を警戒してしまい、無理な食事制限によって必要な栄養を十分に摂れない、ということがないようにしましょう。

 

 

皮膚に弾力がある(保湿)となぜできにくいの? そのためにどうしたらいいの?

きちんと保湿され、潤いと弾力のある肌は、柔軟性があり、引っ張られても伸びやすい状態となっています。 例えば、輪ゴム。新しい輪ゴムは、水分がきちんとあり、弾力性と柔軟性に富んでいるため、よく伸びますが、乾燥し劣化した輪ゴムは、すぐに切れてしまいます。 肌も同じように、潤っていて弾力性と柔軟性があれば、妊娠などで肌が引き伸ばされてもそれに対応してきちんと伸びますが、乾燥や老化で皮膚が硬いと、対応できずに亀裂が生じ、妊娠線となってしまうのです。ですから、保湿は大変重要です。 では、保湿アイテムはどんなものを選んだらよいのでしょうか。 ・保湿性の高いもの 乾燥した状態は、妊娠線の大敵です。 保湿力が高く、その効果が持続するアイテムを選びましょう。 保湿効果の高い、ヒアルロン酸セラミド等の成分が入ったものがおすすめです。 ・浸透性の高いもの 妊娠線は、表皮の下の真皮が裂けることでできてしまいますので、浸透性の高いアイテムを選ぶことも重要です。 シラノール誘導体やビタミンC誘導体などの、肌の奥まで浸透するものを選びたいですね。 ・伸びがよく使い心地がいいもの 妊娠線のできやすい場所は、お腹だけでなく二の腕、胸、太もも、おしりと、全身に広範囲にわたります。たくさんの箇所に使うので、伸びがよく、毎日こまめに塗りやすい、使い心地のものを選びましょう。 ・低刺激なもの 妊娠中の肌は、デリケートな状態になりやすいです。 できるだけ低刺激なものを選ぶといいでしょう。

 

専門の妊娠線クリームとなぜいいの?

さて、妊娠線のケアアイテムは、普段のスキンケアで使っているものと同じでいいのでしょうか。 いつも使っている、化粧水や乳液、やボディークリームなどでも、保湿はできます。 しかしながら、普段お使いのそのアイテムの狙う効果は、妊娠線のケアに焦点を当てたものでしょうか。 普段、基礎化粧品を選ぶ際、しわやたるみが気になれば、しわやたるみへの予防や改善に効果のある成分が入ったものを選びますし、シミが気になれば、シミに効きそうなものを選びますよね。 そうすることで、気になる肌トラブルを効率的にケアすることができるからです。 それでは、妊娠線のケアをするときも、妊娠線の予防、改善に焦点を当てたものを選びたいですね。 専用の妊娠線クリームなどは、当然、妊婦さんが使うことを前提として作られていますので、妊娠中のデリケート肌にも、安心して使える成分でつくられています。 不必要な化学成分の無添加、低刺激であったり、オーガニック原料を使用している商品が多いです。 また、真皮のコラーゲンなどが断裂して起こる妊娠線に対し、肌の奥まで浸透して補修してくれるような成分を、どの商品も積極的に配合しています。 コラーゲンの生成に働きかけるビタミンC誘導体や、肌の弾力やハリの回復に効果のあるシラノール誘導体といった、高機能で妊娠線のケアに効果的な成分が入った商品もあります。 妊娠線専用のアイテムを選ぶことが、妊娠線を作らずにきれいをキープするための近道ですね。

 

どうして妊娠線はできるの?妊娠線ができるメカニズムとは?

皮膚は、表面から順に、表皮、真皮、皮下組織の三層でできています。妊娠したことにより、お腹が大きくなったり、脂肪細胞が肥大化することで、皮膚が急激に引っ張られます。 三層のうち、表皮はある程度の伸縮性を持っていますが、真皮、皮下組織の一部は伸びにくくなっています。急激に引っ張られたことに耐え切れず、真皮の主成分であるコラーゲンや弾性線維(エラスチン)に亀裂が生じてしまいます。この亀裂が、表皮に赤紫色の線となってあらわれたものが、妊娠線です。 真皮を主に形成するコラーゲンとエラスチンですが、コラーゲンはロープ状にネット構造をなし、それを弾力性に富むエラスチンが支え、その隙間をヒアルロン酸が埋めている、という構造になっています。

妊娠線ができないようにするにはどうすればいいの?

妊娠線ができないようにする対策は、ズバリ、この2つに集約されています。 ・体重を急激に増やさない 体重を急激に増やしてしまうと、脂肪細胞も肥大化しやすくなり、お腹も急激に大きくなりやすくなります。食事管理や体調が良ければ適度な運動を取り入れ、体重が増加しすぎないように気をつけましょう。 ・保湿をしっかりとする 皮膚が乾燥すると、妊娠線ができやすい状態になるため、保湿をしっかりとしましょう。 保湿力が高く、浸透力の高い、保湿アイテムを選ぶことが重要です。 妊娠線予防に実績のあるシラノール誘導体や、コラーゲン補修成分の入った、妊娠線専用のアイテムを使用すると、安心です。 保湿アイテムを使用する際は、ケチらずたっぷり、やさしくマッサージするように塗りましょう。 お腹はもちろん、妊娠線のできやすい胸、二の腕、太もも、おしりにも、しっかり塗りましょう。 また、臨月になりお腹が大きくなると、お腹の下の方を塗り忘れる妊婦さんが少なくないです。こちらも、忘れずしっかりと塗りましょう。 お風呂上りはもちろん、着替え時などもこまめに塗っておくと、効果が高まります。 塗り始める時期ですが、お腹が大きくなりはじめる5ヶ月あたりから使用する妊婦さんが多いですが、早いうちから始めると、一層効果的です。

 

いつからできやすい?

妊娠線は、お腹のふくらみが目立ってくる、6ヶ月頃からあわられる人が多いです。 妊娠中期には妊娠線が出てこなくても、お腹のふくらみが急成長する、妊娠後期や臨月になってから、急にできてしまった・・・という、ケースもあります。 お腹が急激に大きくなる後期や臨月は、妊娠線がさらに出やすい時期です。それまで妊娠線があまりできなかった人も、油断せずにしっかりとケアをすることが大切です。 また、秋~冬の、肌の乾燥しやすい時期も要注意です。肌の乾燥は、妊娠線の発生する大きな要因のひとつですので、肌の乾燥が気になる季節は、妊娠線ケアのにも一層気を配りたいですね。

 

どこにできやすい?

妊娠線ができやすい場所は、まずはお腹周りです。最も妊娠線ができやすく、目立ちやすい場所といえます。胎児の成長とともに子宮が大きくなることで、お腹の皮膚の伸びがついていかず、妊娠線となってあわられます。 お腹以外にも、二の腕、胸、おしり、太もも等も、妊娠線ができやすい場所です。これは、皮下脂肪のつきやすい場所ですが、妊娠によって急激に皮下脂肪がついてしまうことで、妊娠線が発生してしまうのです。 お腹以外の場所は、つい油断しやすいところですが、体重管理に気をつけながら、これらの箇所も忘れずにケアをしましょう。